2025 年 22 巻 1 号 p. 1_3-1_9
国立研究開発法人 科学技術振興機構 研究開発戦略センター(CRDS)では,これまでにも大学などの研究成果を産業へ橋渡しするという観点から,イノベーションエコシステムの形成に関する調査を実施してきた.今回の調査では,この橋渡しを「技術主導型」と「デザイン主導型」の二つに大別し,分析を行った.「技術主導型」については,知的財産権確保の重要性やマネジメント体制のさらなる強化のための課題について論じるとともに,国内外の主要大学における特許動向の差異を分析した結果について,その概要を示した.一方,「デザイン主導型」については,科学技術に新たな意味付けを行う「デザイン for 科学技術・イノベーション」に焦点を当て,先行する英国やEUの政策動向,および日本の大学の現状に関する調査結果を報告した.さらに,イノベーションを促進するための産学による共創の「場」のあるべき姿を提示するとともに,先進的な取り組みを行う国内大学などの事例を紹介した.