2026 年 22 巻 2 号 p. 2_16-2_29
デザイン思考を用いた産学連携の研究では,探索的な取り組みの難しさと実現可能性を考慮した提案の難しさが報告されている.また,デザイン思考を用いた新商品開発の事例は多く報告されているが,文房具を題材とした事例は十分に蓄積されていない.そこで,本研究では,文房具を題材とした新商品開発を産学連携で実施する過程で,先行研究の課題を解決する方法を検討する.デザイン思考を用いた新商品開発は探索的な取り組みを必要とするため,研究方法としてケーススタディを採用し,3つのケースを3セメスターに分けて段階的に実施した.
本研究の実務的貢献は,先行研究の課題解決に関する知見の提示に加え,産学連携の枠組みにおけるステークホルダーへの価値提供・価値還元を実現できたことである.また,理論的貢献は,考案したアイデアの創造的側面を解釈するための枠組みとして,新規性と有用性に着目することの意義を確認することができたことである.