抄録
本稿では産学共同研究に対する企業行動意志について,化学と機械産業を対象としたアンケート調査に基づく定量分析を行った.加えて,規模・業種・経験といった企業特性による影響について分析を行った.
結果,1)学術的探求に対する目的や期待が大きいこと,2)事業化に直結しない成果でも高い評価が得られる可能性があること,3)成果取得までの時間に対する懸念が大きいことが判明した.加えて,4)小規模企業の目的・期待・問題意識は大規模企業と大きな違いがないこと,5)企業行動意志は規模や業種の相違以上に実施経験の有無による差による影響が大きいことが判明した.
産学共同研究に対する前向きな企業行動意志が確認された.