廃棄物資源循環学会論文誌
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論文
廃棄物ガス化改質におけるニッケル系改質触媒の耐久性能評価
小林 潤呉 畏川本 克也
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2009 年 20 巻 6 号 p. 352-360

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抄録
有機系廃棄物の熱分解ガス化改質プロセスにおいて,市販のカルシウム (Ca) ドープニッケル (Ni) 系改質触媒の耐久性評価を目的とし,ベンゼン,トルエンおよびキシレン (BTX) 各成分,および木質系建築廃材を適用した水蒸気改質実験を改質炉温度750℃にて行い,BTX各成分の分解挙動および生成ガス組成の経時変化等に基づく耐久性能評価を実施した。BTXの分解挙動については,ベンゼン,トルエン,キシレンの順に触媒耐久時間は長くなり,かつ分解率が増加することが明らかとなった。さらに改質触媒の前段に酸化カルシウム (CaO) を用いることで,BTXの分解率が全体的に向上することがわかった。廃木材の熱分解ガス化改質実験結果については,生成ガス中の水素濃度は概ね50~60%で一定となるが,実験開始後10時間を境にして水素生成量は若干減少し,低級炭化水素,芳香族炭化水素および硫化水素の濃度は徐々に増加することが明らかとなった。
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© 2009 一般社団法人 廃棄物資源循環学会
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