廃棄物資源循環学会論文誌
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論文
東アジアからの漁業用フロートの漂着実態
岡野 多門加藤 郁美
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2013 年 24 巻 5 号 p. 88-96

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抄録

鳥取県の8海岸で漁業用フロートの漂着量を2005年から毎月7年間調査した。総数は35,512個で,それらをEPS製フロートと,長径15cmを基準としたEPS以外の素材の大型と,小型フロートに分けると,それぞれの漂着数は11.8, 7.2, 107.8個/(hm・y),重量は8.9, 9.5, 4.4kg/(hm・y) となった。合計漂着重量は22.8kg/(hm・y) で,これは1L以下のペットボトルの4.0kg/(hm・y) よりはるかに大きい。したがって環太平洋諸国で永続的な水産業を継続するために,漁業ごみの投棄や流出を防止する対策が早急に必要である。現状の由来地域別のフロートの年間平均漂着重量は,朝鮮半島由来が6.1kg/(hm・y),中国・台湾が2.6kg/(hm・y),日本が0.5kg/(hm・y),不明が13.3kg/(hm・y) で,この平年値から各地域で実施が期待される排出抑制策の実効性が評価できる。

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© 2013 一般社団法人 廃棄物資源循環学会
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