抄録
日本では一般可燃ごみの多くは焼却処理されているが,焼却処理に伴う化石燃料の消費量削減やちゅう芥類のバイオマスとしての利活用の必要性から,一般可燃ごみ中のちゅう芥類のエネルギー利用技術が求められている。本研究では,廃棄物の機械的・生物的処理 (Mechanical-Biological Treatment: MBT) として機械選別とメタン発酵システムの技術開発を行い,実ごみによる機械選別試験とメタン発酵試験を実施した。
その結果,粒度選別,破砕選別を行うことで,一般可燃ごみから高精度にちゅう芥類を発酵適物として回収可能であることを確認し,回収した発酵適物は中温メタン発酵処理を行うことで発酵適物 1 tonあたり150 Nm3 程度のバイオガスが安定的に回収可能であることを明らかにした。また,ちゅう芥類回収後の燃焼適物の低位発熱量は回収前と比較して 1.7 倍向上することを示した。