廃棄物資源循環学会論文誌
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論文
日本における静脈物流研究の課題
――計量書誌学分析による諸外国の研究動向との比較――
杉村 佳寿村上 進亮
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2018 年 29 巻 p. 44-58

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抄録
静脈物流は企業戦略にとっても社会システムにとっても重要な要素となる。本稿では日本および海外における静脈物流の先行研究をレビューし,日本の静脈物流研究が量的にも質的にも不足していることを検証した。その上で,日本において静脈物流が十分な研究対象とならなかった理由について,歴史的経緯による実務面のニーズの少なさ,廃棄物・リサイクル法体系に起因したシーズ的研究の難しさ等であるとの考察を行った。さらに,諸外国におけるReverse logistics (RL) に関する先行研究の分析を踏まえ,日本の静脈物流システム・研究への示唆として,輸送機能にとどまらず,マネジメント概念としての定義を浸透させその対象範囲を広げること,わが国の地理的特性を踏まえた国際静脈物流システムの設計等を提案し,今後の効率的な日本における静脈物流研究を進めるため前提とすべき重要な先行RL文献をネットワーク分析により抽出した。
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© 2018 一般社団法人 廃棄物資源循環学会
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