抄録
福島第一原子力発電所事故に由来する放射性物質汚染廃棄物を処理するために設置された,仮設焼却施設におけるバグフィルタの粒子除去性能の評価を目的に,バグフィルタ入口側および出口側にて焼却炉排ガス中の PM10 を粒径別に測定した。出口側の粒子個数濃度はいずれの粒径も 100 個 cm-3 未満であり,入口側濃度と比べて 1 万分の 1 から 100 万分の 1 程度であった。バグフィルタの部分集じん率はいずれの粒径も 99.9 %を上回ると評価された。バグフィルタの払い落とし操作は瞬間的にバグフィルタ出口の粒子質量濃度を増大させるが,払い落とし操作時の PM10 の質量基準除去率は 99.78 %であった。払い落とし操作を含む集じん装置全体の PM10 の質量基準除去率は 99.99 %であった。