都市ごみ焼却主灰中の有用金属,有害金属を回収することを目指し,エアテーブル選別における選別特性を調査した。選別前の各画分に対して粉砕,王水分解,アルカリ融解を適用した結果,Pb,Fe,Ca は粉砕,王水溶解の容易な形態の割合が高い一方,Cu,Zn,Al では粉砕が困難で王水溶解の容易な金属形態の割合が高いと考えられた。0.5 ~ 2.0 mm の粒径画分では高密度粒子と低密度粒子の粒子密度差の増加に伴い,Pb,Cu,Zn のニュートン効率が向上する傾向が確認された。Pb,Cu,Zn に含まれる金属態粒子では周囲の粒子との密度差により効率的に選別できる一方,アルミノケイ酸塩等に取り込まれた粒子は周囲の粒子との密度差が生じにくく選別が困難になると考えられた。0.5 ~ 2.0 mm の高密度粒子において,Pb,Cu,Zn の相関係数は 0.9 を超え,エアテーブル選別によりこれらの金属は随伴して回収されることがわかった。