日本母性看護学会誌
Online ISSN : 2434-6187
Print ISSN : 1345-773X
研究報告
生殖補助医療を受療する場における女性の体験
西岡 啓子成田 伸
著者情報
ジャーナル フリー

2021 年 21 巻 2 号 p. 61-70

詳細
抄録

生殖補助医療(Assisted reproductive technology: ART)を受療する場における女性の体験を明らかにするため、女性4名への参加観察・半構造面接で得たデータを質的帰納的に分析した。その結果【ARTに子どもへの希望を賭けて臨む】【周囲の思いを背負って診察の場に臨む】【診察の場を最大限に活かせるように整える】【自分が子どもを持てる可能性を知ろうと努力する】【自分なりにARTに対処する】【診察の場で精神的負担に耐える】【子どもがいなくても納得できる未来を模索する】【自分がARTに賭けた結果として引き受ける】【治療環境に支えられる】を抽出した。これは、自然妊娠の可能性がないと自覚する女性が、僅かな可能性に賭けARTを選択し、生じた結果を引き受けようとする、主体的な女性の姿勢を示していると考える。看護師は受療の場で、このような女性の体験を理解し、その場で支援する必要がある。

著者関連情報
© 2021 一般社団法人 日本母性看護学会
前の記事
feedback
Top