2025 年 40 巻 2 号 p. 106-108
私たちの研究グループは,組織学的・遺伝学的形質を保持した乳房外パジェット病患者由来異種移植腫瘍(patient-derived xenograft:PDX)を樹立し,エリブリンによる治療,抗HER2-ADC療法,CDK4/6阻害薬による治療実験,さらに抗HER2治療耐性モデルの開発を行ってきた。それらの前臨床研究の成果に基づいて,進行期乳房外パジェット病に対する殺細胞性抗がん剤エリブリンを用いた医師主導治験を計画し,現在実施中である。研究計画の着想,プロトコール作成,治験の途中経過を紹介する。