抄録
看護学生の母性性を構成する因子は何かということと,抽出された因子と個人特性との関係について調査した。
看護学科(3年課程)の学生150名(1年49名,2年50名,3年51名)に対して64項目からなる質問項目についてその内容が自分にあてはまるかどうかを5段階で記入を求め,因子分析した。累積寄与率44.2%までの6因子,出産肯定因子,出産理論的肯定因子,母親肯定因子,子ども肯定因子,女性性肯定因子,出産育児否定因子が抽出された。これらの抽出された6因子と個人特性との関係を分析し,学年,両親の有無,母親の職業,同胞数,同胞の性別,月経障害の有無,看護学科入学動機などで因子得点の平均に有意な差があり,学生の生育歴などの個人特性と母性性が関係あるということが明らかになった。