日本看護研究学会雑誌
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認知スタイルからみた血圧測定誤差に関する研究
西沢 義子小玉 正志早川 三野雄高松 むつ
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1990 年 13 巻 4 号 p. 4_27-4_34

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抄録
  弘前大学教育学部養護教諭養成課程学生117名を対象とし,認知スタイルと血圧測定誤差の関連について分析した。認知スタイルはMFFテストを用い,反応時間と誤答数から,反応が速く誤答数が少ないFA型,反応は速いが誤答数が多いFI型,反応が遅いが誤答数が少ないSA型,反応が遅く誤答数も多いSI型の4群に分類した。血圧測定誤差は聴診法と脈波・コロトコフ音記録計との差により求め,以下のような成績が得られた。
1. 測定誤差は最大血圧の場合,両I群が両A群よりも大きく,また,最小血圧の場合,両F群は両S群よりも大きかった。従って,衝動型(FI)は熟慮型(SA)よりも測定誤差が大きくなる傾向があった。
2. どの認知スタイル群でも測定誤差は最大血圧の場合に最小血圧よりも大きかった。
3. どの認知スタイル群でも最大,最小血圧とも記録計による血圧よりも高く測定する傾向(プラス傾向)がみられた。また,判定のバラツキは最大血圧でFA型に,最小血圧ではSI型に多くみられた。
4. 測定誤差は最大血圧では血圧を記録計より高く判定する場合に大きく,低く判定する場合は小さかった。
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© 1990 一般社団法人 日本看護研究学会
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