日本看護研究学会雑誌
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入眠過程における心電図変化について
-特に心拍数の変化と睡眠感との関連性についての検討-
本江 朝美金井 和子土屋 尚義
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1996 年 19 巻 1 号 p. 1_45-1_52

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抄録

  本研究は,睡眠障害の実態を把握し対応を考察するために,セルフケア可能な26例を対象とし,入眠過程における心電図変化と睡眠に関するアンケート調査結果との関連を検討した。その結果,以下の知見を得た。
①不眠感不満感は,26.9%で認められた。これらは特に就床時間が著しく早いか又は遅く,自覚的寝つき時間が長く,熟睡時間が短いと自覚する傾向があった。
② 心電図上,就床後心拍数が減少し安定するまでの時間は,平均22.8±21.5分であった。これは,自覚的寝つき時間と明かな相関を示した。不眠不満との関係では,それを訴える患者で極端に安定が遷延化する例が認められ,熟睡時間,覚醒時間と負の相関を示した。
③ 中途覚醒,夢は,心拍数安定時間が20分以上要した患者に多くみられた。
④ 就床前後の不整脈の出現と不眠不満との関連性は,特に認められなかった。

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© 1996 一般社団法人 日本看護研究学会
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