抄録
多くの器材・材料の開発によって,在宅中心静脈栄養療法 (HPN) セルフケアが可能になってきた。 しかし,HPN セルフケアが安全に行なわれているかどうかについてはアセスメントデータがない。 そのことは医療関係者が HPN を促進できなかった理由の一つと考えられる。 そこで,この研究では HPN 患者の清潔操作におけるセルフケアについて評価することを目的とした。 この研究には2つの方法が使われた。 一つはオマハシステム:問題別成果評定尺度 (PRSFO) であった。 これでは HPN 患者が行なった清潔操作の手順を測定した。 PRSFO スコアはすべての清潔ケアの理解,行動,および状態はよかったことを示した。 もう一つはカテーテル部位での細菌学検査だった。 殺菌後のカテーテル部位では,患者群は,対照群のそれらより細菌が少なかった。 一方,適正な衛生材料の不足もあった。 そのために,セルフケアの安全が妨げられうることが推測された。