日本看護研究学会雑誌
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成人型アトピー性皮膚炎を持つ対象者の行動の決定に影響を与える因子に関する研究
大野 道絵阪本 恵子白石 聡
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2001 年 24 巻 2 号 p. 2_29-2_39

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抄録
 成人型アトピー性皮膚炎を持つ人々は,治療が難しく慢性の経過をたどるという疾患の特徴から,病院を転々と変え,様々な治療法を試す。 また,正規の医療機関以外の施設または個人により販売される水,入浴剤,石鹸,漢方,健康食品などの民間療法を試す傾向が見られる。 本研究は対象者のこのような行動に焦点を当て,行動の決定に影響を与える因子を抽出する事を目的とする。
 研究方法は,対象者にインタビューを行い,得られた言葉をデータとして使用し,分析を行った。 対象者は成人型アトピー性皮膚炎を持つ男性7名,女性3名で,半構成的インタビューによりデータを得た。 分析手順は,コード化,コードの修正,カテゴリー化を主として,六段階を踏んだ。
 分析の結果,それぞれに下位因子を含む,3つの因子が抽出された。
 1. 周りからの働きかけ,自らの働きかけ,の2つの下位因子から成る,情報
 2. 個人的環境,病院環境,入手のしやすさ,経済性の4つの下位因子から成る,都合
 3. 軽快・変化無し・増悪,速効性の2つの下位因子から成る,効果の自己判定の3つが明らかになった。
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© 2001 一般社団法人 日本看護研究学会
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