日本看護研究学会雑誌
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地域消防団における若年男性の高尿酸血症とマルチプルリスクファクター症候群の関与
藤井 千惠榊原 久孝
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2002 年 25 巻 1 号 p. 1_111-1_118

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抄録
  若年男性の健康状態を明らかにする目的で,地域消防団の団員128名(20~33歳,平均28.9歳)を対象に健康診断と質問紙調査等を実施した。 血清尿酸値7.1mg/dl以上の高尿酸血症が25.8%,BMI 24.3kg/m2以上の過体重が27.3%にみられた。 高尿酸血症群では過体重が多かった(p<0.01)。 多重ロジスティック回帰分析でも,高尿酸血症は過体重と有意な関連が認められた(オッズ比 2.81,95%信頼区間 1.43-5.55,p<0.01)。 また過体重者では,尿酸,総コレステロール,中性脂肪,γ-GTP,収縮期血圧,拡張期血圧の平均値が正常体重者と比べて有意に高く,HDL コレステロールは有意に低い結果が得られた。 高尿酸血症群では,高脂血症,耐糖能異常,高血圧,過体重の4項目における異常項目数も多い傾向があった(p<0.05)。 検査結果に対する関心がない者では高尿酸血症が多く認められた(p<0.05)。 今回の結果,若年男性においても高尿酸血症や過体重の頻度が高く認められ,高尿酸血症は過体重と有意な相関があり,マルチプルリスクファクター症候群の関与が考えられた。 このような若年男性に対する生活習慣病予防のための学習会や個別支援を展開することは,重要な地域保健活動といえる。
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© 2002 一般社団法人 日本看護研究学会
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