2002 年 25 巻 2 号 p. 2_49-2_59
青年期女子の社会的スキルを測定し,教育背景および生活背景の側面から分析した。 対象者は青森県内の専修校生,短大生,大学生女子533名であった。 社会的スキルの測定にはSSIを用いた。 この尺度は情緒的表現性,情緒的感受性,情緒的コントロール,社会的表現性,社会的感受性,社会的コントロールの6尺度から構成されており,SSIスコアは6つの尺度の合計得点である。 さらに看護学生と他の学生との差異についても分析した。 教育機関別では情緒的感受性,情緒的コントロールとSSIスコアに,出生順位別では社会的コントロールに,祖父母との同居経験別では情緒的表現性に有意差が認められた。 また看護学生の情緒的感受性は養護系より低く,情緒的コントロールは教育系より高かった。 さらに,SSI スコアは情緒的表現性,情緒的感受性,社会的表現性,社会的コントロール尺度と有意な強い相関が認められ,これらのスキルを高めることが社会的スキルの向上につながることが示唆された。