2002 年 25 巻 2 号 p. 2_71-2_85
脳血管疾患により障害を持ちながら在宅生活をめざす17事例の患者・家族に対して,発症後初めて家庭に戻る外泊を取り上げ,患者と家族がどのような家庭生活を体験したかについて面接を行い,その内容を質的に分析した。
その結果,1)外泊後,患者は自分で行動できた喜びや自由な生活環境の広がり,実際に生活しての困難,家族・社会との繋がりの取り戻しを体験していた。 2)家族は,初めての在宅生活を体験して介護についての実感を感じると同時に,外泊を通して家族としての結びつきの強まりがみられた。 3)外泊における患者と家族の体験から特徴あるグループとして,家族が目の離せなさを感じたグループ,患者・家族とも在宅での動きの悪さを感じたグループ,家族が回復への期待の強いグループがみられた。