日本看護研究学会雑誌
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尿路留置カテーテルと蓄尿バッグの交換頻度に対する病棟内基準と看護職の交換の実際
叶谷 由佳佐藤 千史
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2004 年 27 巻 1 号 p. 1_101-1_105

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抄録
  本調査の目的は尿路留置カテーテル(以下,カテーテル)と蓄尿バッグ(以下,バッグ)の交換頻度に対する看護師長が提示している病棟内基準と看護職の交換頻度の実態を知ることである。
  都内の200~300床の53病院に対し質問紙調査を実施し,カテーテルを一ヶ月以上留置している患者が入院患者の2割以上を占める病棟,5病院7病棟を調査対象とした。自己記入式質問紙を看護師長用とその他の看護職用の2種類作成し郵送した。その結果,看護師長全員が交換頻度に関して「基準がある」と回答したが,交換頻度は病棟によって差があった。
  看護職の経験が浅い程,病棟内基準の影響を強く受けていた。看護職はカテーテルよりもバッグ交換時の理由に尿路感染予防を重視した内容を多く挙げていた。これらから,病棟において科学的根拠に基づいた交換頻度の提示を行えるよう,交換頻度と尿路感染症に関する研究が進められていく必要性が示唆された。
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© 2004 一般社団法人 日本看護研究学会
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