日本看護研究学会雑誌
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局所温罨法によるリラクゼーション効果の検討
-温罨法と足浴が身体に及ぼす影響の比較検討より-
岩﨑 眞弓野村 志保子
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2005 年 28 巻 1 号 p. 1_33-1_43

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抄録

本研究は,リラクゼーション効果があるといわれている足浴と,より簡便な加温方法である腰背部の温罨法について,実施中の皮膚温や循環動態,主観的反応を観察して両者の相違を比較し,腰背部温罨法のリラクゼーション効果を検討することを目的とした。対象は女子学生31名,温罨法群,足浴群,コントロール群の3つの条件下で実験を行った。その結果,末梢部皮膚温の上昇ならびに末梢部皮膚血流量の増加などの生体反応や主観的反応において,温罨法でも足浴とほぼ同様な反応がみられた。さらに温罨法は,R-R間隔や呼吸の結果から,生体へ影響を及ぼすことなく全身の皮膚温を上昇させていることがわかった。そして,これらの生体反応の相違が主観的反応の結果に反映されていると考えられた。これらのことから足部を湯に浸して行う足浴と比べて,簡便な方法で実施できる温罨法でも,足浴と同様にリラクゼーション効果は得られることが示唆された。

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© 2005 一般社団法人 日本看護研究学会
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