日本看護研究学会雑誌
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在宅で医療的ケアに携わる家族介護者の介護肯定感に関連する要因の分析
片山 陽子陶山 啓子
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2005 年 28 巻 4 号 p. 4_43-4_52

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抄録

 在宅で医療的ケアを実施している介護者の特性を把握すると共に,介護肯定感に関連する要因を明らかにすることを目的とした。主介護者190名(医療的ケア有り群117名,無し群73名)を対象に,質問紙を用いた訪問面接調査を実施した。
 医療的ケア有り群は介護時間が長く,在宅介護に対する動機が高いという特性が認められた。そして,介護肯定感の「介護を通しての自己成長感」と「介護役割の積極的受容」が医療的ケア有り群は無し群に比べて有意に高い結果であった。有り群の介護肯定感に関連する要因としては,在宅介護への動機の高さと「情緒的な接近型」の対処行動であった。このことから,介護者が介護を自分の役割であると認識できることと,療養者と介護者の関係性の良さが重要であると考えられた。また,看護師は介護者の役割意識を支持することや,療養者と介護者が良好な関係を構築できるように介入することの必要性が示唆された。

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© 2005 一般社団法人 日本看護研究学会
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