本研究は,透析に至った2型糖尿病患者がとらえる糖尿病合併症の意味を抽出し,概念を導き出すことを目的とした質的因子探索研究である。研究参加者は12名であり,半構成面接調査を行った。その結果,透析に至った2型糖尿病患者は,【症状の発現により生活困難を自覚する】ということをきっかけとして,今まで意識していなかったがそういえばこのような【合併症になる可能性への思い】をもっていたと自分自身の思いに気づき,これをきっかけに【症状に対応する】と【糖尿病と付き合う】とをこのようにしていたと思い出し,【後悔を収める】というように合併症をとらえていた。糖尿病合併症の教育として,【症状の発現により生活困難を自覚する】というより具体的に生活する中に起こることを糖尿病患者に提示することは,糖尿病患者が糖尿病合併症について意識していない自分自身の思いに気づくことになり,今後の教育内容の視点となると考えられた。