日本看護研究学会雑誌
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中堅看護師の看護実践能力の発達過程におけるプラトー現象とその要因
辻 ちえ小笠原 知枝竹田 千佐子片山 由加里井村 香積永山 弘子
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2007 年 30 巻 5 号 p. 5_31-5_38

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抄録

 本研究の目的は,1)中堅看護師の看護実践能力はプラトー現象を起こすか否か,2)中堅看護師の看護実践能力の発達に影響する要因を明らかにすることである。質問紙は,Bennerの7領域から構成された看護実践能力,個人の自律性,専門職の自律性,訓練や教育から構成された。看護師386名を対象として分析した。主な結果は,⑴ 臨床経験5~20年未満の看護実践能力は,相関係数r =-.109を示した。⑵ 臨床経験5~20年未満の看護実践能力に関与する要因には,専門職の自律性が選択された(重回帰分析,説明率R2=0.140,β=0.233)。これらのことから,中堅看護師の看護実践能力がプラトー現象を起している傾向を認めた。中堅看護師の看護実践能力をこの状態から解放するには,専門職の自律性を獲得することが示唆された。

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© 2007 一般社団法人 日本看護研究学会
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