日本看護研究学会雑誌
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看護師の専門職的自律性獲得とメンタリング
今堀 陽子作田 裕美坂口 桃子
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2008 年 31 巻 2 号 p. 2_55-2_63

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抄録

  本研究の目的は,看護師のメンタリングの特徴を記述し,メンターの存在が非管理職看護師の専門職的自律性の獲得に与える影響について「専門職的自律性測定尺度」を用いて検証することである。
  看護経験年数10年以上の非管理職看護師に質問紙調査を行い,有効回答の得られた610名を分析の対象としたところ,59.3%の看護師がメンターを有するという結果を得た。当時のメンターの職位は「非管理職看護師(スタッフ)」が45.9%,次いで「看護師長」が29.8%,「主任,副看護師長」が18.0%であった。メンターの有無別に「専門職的自律性測定尺度」を用いて専門職的自律性の獲得状況をみると,専門職的自律性の概念全体およびその下位次元である “内面認知・対応能力” 及び “状況認知能力” の平均値は,メンターあり群の方がなし群に比べ有意に高かった。メンターの職位別での専門職的自律性の獲得状況の比較では,顕著な差異は認められなかった。

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© 2008 一般社団法人 日本看護研究学会
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