2008 年 31 巻 5 号 p. 5_63-5_69
小児看護外来に通院中の神経症・心身症児14名に対して,平成16年4月から平成17年3月まで看護に当たった看護師8名の看護介入記録から神経症や心身症の子どもの不適応行動を分析した。その結果,11の概念および《症状・問題行動》,《発達の未熟性》,《対人関係の障害》,《社会からの孤立》の4つにカテゴリ化された。《症状・問題行動》は,【身体症状】,【問題行動】の概念から構成され,《発達の未熟性》は【他者への信頼感の不足】,【自己表現の未熟】,【情動調整の未熟】,【過剰な不安】,【自己の不統合感】,【自尊心の未発達】の概念からなり,《対人関係の障害》のカテゴリは,【対人関係の障害】一つの概念であった。《社会からの孤立》のカテゴリは【社会参加の障害】,【生活パターンの乱れ】の概念で構成された。
以上のカテゴリおよび概念から心身症および神経症児の看護上の問題となる不適応行動の概念が示唆された。