日本看護研究学会雑誌
Online ISSN : 2189-6100
Print ISSN : 2188-3599
ISSN-L : 2188-3599
デイケア・作業所に通所中の統合失調症患者が自己の生き方におりあいをつけるプロセス
神宝 貴子國方 弘子
著者情報
ジャーナル フリー

2008 年 31 巻 5 号 p. 5_71-5_78

詳細
抄録

  デイケア・作業所に通所中の統合失調症患者が,自己の生き方に対してどうおりあいをつけているのかそのプロセスを明らかにすることを目的に,統合失調症患者12名を研究参加者に,自己の生き方についての思いをインタビューし,質的帰納的に分析した。その結果,≪気が楽になる≫≪今におりあいをつける≫≪過去に向き合う≫≪未来を見つめる≫【自分はこれでいい】の5つのカテゴリーが抽出され,【自分はこれでいい】が中核カテゴリーであった。ある出来事を契機にあるいは時間をかけながら≪気が楽になる≫ことで,≪今におりあいをつける≫ことが出来,さらに≪過去に向き合う≫ことが出来,病状の変化により【自分はこれでいい】という気持ちが揺らぎながらも【自分はこれでいい】と生き方に対して納得していく。しかし,将来への不安は大きく,今に近い≪未来を見つめる≫ことをしながら一日一日を納得しながら生きていた。

著者関連情報
© 2008 一般社団法人 日本看護研究学会
前の記事 次の記事
feedback
Top