抄録
看護職員のセルフマネジメントの実態を構造化することを目的に,新人・管理職を除く看護職員10名に半構成的面接を行いKJ法にて分析した。看護職員は,【看護職員として働き続けることへの身体的危惧】と【心の内を話せる人の存在・公私のバランス・研修を乗り越えてきた自信】の両面で揺れ,【自分なりに業務に支障がないよう心身両面から備えておこう】【患者と共にいることで実感できる喜びの瞬間が原動力となり,今の自分をつなぎとめている】【チームの一員として,周りの空気を読み,環境を整える】【体調の悪さや感情の起伏を表に出さないで使命を全うしよう】とすることで自分を保っていた。一方,【要求されるものについて行けない自分に澱む】【なかなか到達できない理想とする看護職員像】【やり場のない憤りを覚えている】躊躇している島があった。看護職員のセルフマネジメントのサポートには,医療を取りまく環境の整備の必要性が示唆された。