本研究は,訪問看護に従事する看護職の,職場での対人葛藤に関連する要因を明らかにすることを目的とした。A県内の訪問看護師182名を対象とし,郵送法による無記名自記式質問紙調査を実施した。調査内容は対人葛藤尺度,アサーション尺度,社会的スキル尺度,職場内サポート尺度,職場外サポート尺度,基本的背景であった。有効回答の得られた145名(平均年齢は43.8±8.0歳)を分析対象とした。重回帰分析の結果,職場内サポートと雇用形態(常勤か非常勤か)が対人葛藤の関連要因であった。すなわち常勤であって職場内サポート認知が低い者ほど,対人葛藤が高いことが明らかとなった。対人葛藤を低減させるためには,まず職場内サポートを充実させることが必要である。