2010 年 33 巻 4 号 p. 4_41-4_50
本研究は,2型糖尿病患者が運動療法を継続する仕組みを明らかにした質的因子探索研究である。グラウンデッド・セオリーアプローチを用いて,糖尿病教育あるいは血糖コントロール目的で入院した2型糖尿病患者11名に,6ヶ月の追跡期間を設け,縦断的に4回の面接を行った。結果,2型糖尿病患者の運動療法の継続には,発展していくプロセスを含む仕組みが見出された。それはコアカテゴリーである《運動療法は運動ではない》の修得を必須条件とし,《運動療法への割り切り》と《運動療法の影響を自分の体で納得》が《療養生活の振り返りと解釈》を介して発展し,最終的に《糖尿病をもつ体へのいたわり》となるプロセスを含む仕組みであった。この結果より,運動療法の継続には,まず《運動療法は運動ではない》を修得できる援助が重要であることが示唆された。