日本看護研究学会雑誌
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透析歴3年以上の血液透析患者の特性・信念およびセルフケアの1年後の変化
武内 奈緒子村嶋 幸代
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2011 年 34 巻 1 号 p. 1_171-1_179

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抄録

 透析患者の特性・信念およびセルフケアの1年後の変化について追跡調査を行った。二度の調査に回答した透析歴3年以上の透析患者51名をbaselineとfollow-upのセルフケア度の得点から「全体維持群(n=22)」,「生活低下群(n=11)」,「食事低下群(n=8)」,「全体低下群(n=10)」に群分けし,事例検討も行った。全体維持群はbaselineのセルフケアの得点が最も低く,ソーシャルサポートの得点がbaselineもfollow-upも高かった。食事低下群は,生活の得点は上昇したが,食事とJHLCの家族の得点が低下した。事例検討からは,JIBTの自己期待がセルフケアの改善に関連していることが推測された。透析患者の特性・信念とセルフケアには変化がみられ,セルフケア度を維持もしくは改善のためには,ソーシャルサポートや家族の支援,患者の自己期待を高めることが重要な要素であると考えられた。

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© 2011 一般社団法人 日本看護研究学会
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