日本看護研究学会雑誌
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ホスピス実習における看護学生の終末期ケアのとらえ方の変化
─ 看護師からのOKサインにより寄り添う看護発見 ─
谷 多江子安藤 満代
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2013 年 36 巻 1 号 p. 1_103-1_112

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抄録

目的:ホスピス実習における看護学生の終末期ケアのとらえ方の変化を明らかにする。
方法:実習後のレポートをもとにインタビューを行い,『修正版グラウンデッド・セオリー・アプローチ』の手法で分析した。
結果:実習当初,学生は《患者を前に茫然》とするが,患者や家族に《感情急速接近》が起こり,《心からの寄り添いへ》変化すると同時に《看護師の技に感動》する。《寄り添うしかない悔しさ》を感じるが【看護師からのOKサイン】をもらい,【寄り添う看護発見】をする。そして,患者から《生のバトン受取り》と《スタッフの「あるがままに観」浸透》により,患者の《最期を共有したい!》ととらえるほどに変化していた。
結論:学生が【寄り添う看護発見】に至るには,〈患者の安らぎ反応〉を得ることが難しい場合,とくに【看護師からのOKサイン】が重要であり,看護師に寄り添う看護を認められることで自信や達成感,終末期ケアの価値を見出していた。

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© 2013 一般社団法人 日本看護研究学会
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