日本看護研究学会雑誌
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産科医療施設(総合病院)の看護職者が「気になる親子」の情報を提供してから他機関との連携が発展するプロセス
─ 乳幼児虐待の発生予防を目指して ─
唐田 順子市江 和子濵松 加寸子
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2015 年 38 巻 5 号 p. 5_1-5_12

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抄録

目的:産科医療施設(総合病院)の看護職者が「気になる親子」の情報を提供してから他機関との連携が発展するプロセスを明らかにする。
方法:看護職者25人を対象としたインタビューで得られたデータを,M-GTAの手法で分析した。
結果:プロセスは,親子の【リスクのレベルを判断したうえでつなぐ】ことで,他機関から情報がフィードバックされ【親子のなりゆきを知る】ことから始まっていた。【親子のなりゆきを知る】ことは,【支援に還元される経験的な学びを得る】,他機関を【頼れる支援機関として認識する】という看護職者の変化を生み,連携へのモチベーションが高まり,【連携が進化する】。顔の見える関係ができ連携の相乗効果が働き【新たな段階の連携が生まれる】ことであった。
結論:連携を発展させる始まりは,産科医療施設と他機関との相互作用であり,そのためには他機関からの情報のフィードバックが必要不可欠である。

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© 2015 一般社団法人 日本看護研究学会
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