日本看護研究学会雑誌
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生後2~3か月児がいる母親の育児困難感とその関連要因
申 沙羅山田 和子森岡 郁晴
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2015 年 38 巻 5 号 p. 5_33-5_40

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抄録

 生後2~3か月児がいる母親の育児困難感とその関連要因を明らかにすることを目的に本研究を行った。対象者はA市に居住し,2011年12月から2012年11月の間に生まれた生後2~3か月の児がいる母親167名(回収率34.9%)であった。調査は無記名自記式質問紙法で行い,育児困難感,母親,子ども,父親などの家族の要因について尋ねる項目を用いた。育児困難感の得点を従属変数とし,2群分けしたときに育児困難感の得点に有意差があった項目を独立変数として重回帰分析(ステップワイズ法)を行った。その結果,「エジンバラ産後うつ質問票」(EPDS)が9点以上,「愛着」の得点が高い,家庭の経済状態にゆとりがない,育児方針にくい違いがある,育児について気軽に相談できる人がいないの5項目が育児困難感と関連していた。これらの5項目を指標として,育児困難感を感じている母親への支援を検討できる可能性が示された。

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© 2015 一般社団法人 日本看護研究学会
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