2015 年 38 巻 5 号 p. 5_23-5_32
目的:介護老人保健施設(以下,老健施設)の看護職の役割と認識について構成因子を明らかにする。また,やりがい感や職務継続意思との関連を明らかにし,看護職への教育的支援に向け示唆を得る。
方法:老健施設の看護職に無記名自記式質問紙調査を実施。
結果:看護職の役割と認識の構成因子として,「在宅復帰支援への取り組み」「在宅ケアチームでの連携と協働」「老健施設に従事する看護者としての心構え」「医療に関する知識と技術」「高齢者のQOL向上に向けた看護実践力」「高齢者の尊厳を守るかかわり」の6因子が抽出され,得点の高いほうがやりがい感や職務継続意志も高い傾向にあった。また,「在宅復帰支援への取り組み」の得点が最も低かった。
考察:6つの実践力と認識の向上が看護職のやりがい感に関連する可能性と主軸役割である「在宅復帰支援への取り組み」の評価が低いことを踏まえ,老健施設の看護職への教育的支援を検討する必要がある。