日本看護研究学会雑誌
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人工股関節全置換術を受けた患者のQOLの変化と関連要因の検討
木下 美樹吉田 俊子山田 嘉明高橋 和子
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2015 年 38 巻 5 号 p. 5_61-5_72

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抄録

 THAを受けた患者の心理・社会的要因と疾患特異的な身体機能,自己管理行動,QOLの変化の特徴を明らかにし,QOLの関連要因を時期別に検討した。THAを受けた32名の患者の術後1か月,術後3か月,術後1年の日常生活の困りごと,サポート態勢,身体機能(WOMAC),自己管理行動,QOL(SF-36)を把握した。調査期間中,4~7割は困りごとを抱えていたが,8~9割が感染予防以外の自己管理行動の項目を実施できていた。また術後1年で,痛み,こわばり,日常生活困難度で改善し,QOLは身体・社会面で改善,精神面では低下した(p<.05)。
 QOLには日常の困りごと,手助けの必要性,身体機能がすべての時期で,継続看護の希望,手術回数,社会制度の活用,リハビリの困難感,相談相手の存在,同居者の存在,脱臼予防も時期によって関連していた(p<.05)。日常生活の支障や困りごとがQOLとの関連を強めていたため,困りごとに対するサポート支援を行っていくことが重要であると考えられた。

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© 2015 一般社団法人 日本看護研究学会
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