日本看護研究学会雑誌
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急性期病院に勤務する中堅看護師が職場復帰支援に感じる困難
─ 冠動脈バイパス術を受けた中年期患者への実践を通して ─
北林 真美
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2018 年 41 巻 4 号 p. 4_675-4_684

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抄録

 急性期病院に勤務する中堅看護師が冠動脈バイパス術を受けた中年期患者に対する職場復帰支援に感じる困難を明らかにすることを目的に,循環器系病棟に勤務する中堅看護師10名に半構造化面接を実施し,内容分析(Krippendorff)を行った。結果,【看護師の業務負担が増加しかねないことへの抵抗】【専門性が発揮できないことによるためらい】【実践が評価できないことによる不達成感】【職場復帰支援困難となる体制の実状】【他業務を優先せざるを得ない実状】が導出された。中堅看護師は,患者や他職種との職場復帰へのとらえ方の相違,患者へのリスク回避と制度上の評価という内外的要素から職場復帰支援に対する困難を感じている。円滑な職場復帰支援につなげるには,実践した職場復帰支援の事例を振り返り課題を共有する機会を設けること,中堅看護師のおかれている現状と職場復帰支援のバランスが確保できる組織的な取り組みが必要である。

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© 2018 一般社団法人 日本看護研究学会
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