2024 年 47 巻 4 号 p. 4_765-4_775
目的:レム睡眠行動障害(RBD)高齢者の病院受診に至るまでの体験を明らかにする。方法: RBDの診断を受け,睡眠医療センターの外来に通院している65歳以上の高齢者9名に診療録からの記録調査と30〜60分の半構造的インタビューを実施した。データ化したものを意味内容の類似性に基づいて比較・分類し,サブカテゴリー化・カテゴリー化した。最終的なカテゴリーとして,時系列に並べ大カテゴリーを生成した。結果:RBD高齢者の病院受診に至るまでの体験は,⦅悪夢を見て抵抗する体験⦆,⦅睡眠中の異常な行動と対処に思い悩む体験⦆,⦅受診を決める体験⦆の3つから構成された。結論:本研究により,RBD高齢者が見続ける悪夢に思い悩みながら,病院への受診に至るまでの体験が明らかになった。看護師は,RBD高齢者の悪夢につながる後悔や気がかりを傾聴し,過去の出来事を意味づけ,乗り越えられるように支援していく必要性があると示唆された。