日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会雑誌
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原著
生検陽性の0期サルコイドーシス患者における旧診断基準と新診断基準による臨床診断について
大道 光秀
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2009 年 29 巻 1 号 p. 9-13

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抄録

組織学的に診断されたサルコイドーシス患者において2006年の新たな診断基準と1989年の旧診断基準における臨床診断基準による臨床診断陽性率を検討した.主に眼病変で発見され,生検で肉芽腫が認められ確定診断となった0期症例において,生検がなされないとして,旧診断基準と新診断基準でどれだけ臨床診断が可能か検討した.旧診断基準で臨床診断陽性例は163例中83例(50.9 %)であった.同症例において新診断基準で臨床診断基準を満たすのは163例中74例(45.4 %)と低下した.新たな診断基準でのサルコイドーシス病変を強く示唆する臨床所見は,眼病変以外では縦隔リンパ節腫大が多く,検査所見では気管支肺胞洗浄(BAL)の陽性率が高かった.新診断基準においては病期0の症例の診断には胸部CT検査とBALを積極的に行い,生検で肉芽腫の検出をより積極的に行う必要があると考えられた.

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© 2009 日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会
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