抄録
当科におけるサルコイド脊髄症症例では,変形性脊椎症をしばしば合併していたため,サルコイド脊髄症と変形性脊椎症との関係について検討した.1989年から2008年までにサルコイド脊髄症と診断した5例全てを対象とし,変形性脊椎症の合併の有無を脊椎・脊髄MRIで評価した.5例のサルコイド脊髄症は全例で頸椎レベルに先天性脊柱管狭窄と変形性脊椎症を合併し,脊柱管狭窄レベルとMRIのサルコイド脊髄症病変レベルは一致していた.サルコイド脊髄症のMRI所見は,変形性脊椎症性脊髄症としては不釣り合いの長大な脊髄T2高信号病変,結節状あるいは斑状のガドリニウム造影病変を特徴とし,鑑別上重要と考えた.サルコイド脊髄症と変形性脊椎症の高率の合併から,変形性脊椎症が血液脳関門の破綻, 静脈のうっ滞,ミクログリアの活性化などの機序により,サルコイド脊髄症の発症誘因となる可能性を推測した.