日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会雑誌
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シンポジウム
ランゲルハンス細胞組織球症の病態と臨床:総括
井上 義一
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2009 年 29 巻 1 号 p. 95-97

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抄録

 1953年Lichtensteinが提唱したHistiocytosis Xは、その後ランゲルハンス細胞組織球症(LCH)と呼ばれるようになり、2008年から難治性疾患克服研究事業においても、ヒスチオサイトーシスXからLCHに統一された。LCH の多くは幼小時に発症し増殖性疾患の一つと考えられているが、成人領域ではタバコの関与が推定されている。小児期には多臓器病変、骨病変が多いが、肺LCH(PLCH)は31-40歳台をピークに分布する。全身性のLCHに比べ、PLCHは予後が良いと言われる。診断は、組織中のLangerhans細胞を証明する。BAL中のLangerhans細胞が総細胞数の5%以上認められる場合も診断的価値がある。成人のPLCHの治療は、まず禁煙、無効の場合、副腎皮質ホルモン等の投与が試みられる。米国の報告ではPLCH患者の5 年生存率は74 %であった。

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© 2009 日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会
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