筋サルコイドーシスの各病型の臨床・病理所見を再検討した.腫瘤型は筋肉内腫瘤を触知するが,筋力低下,筋萎縮はなく,経過中にミオパチー型に移行することはない.急性~亜急性筋炎型と慢性ミオパチー型は発症様式を除けば,臨床・病理所見はほぼ同じで,近位筋優位,またはびまん性の四肢の筋力低下,筋萎縮を認め,筋肉内腫瘤は触知しない.慢性ミオパチー型は高齢女性に多く,稀に封入体筋炎像を示す.3 型とも筋肉痛は急性期にみられる.症候性筋サルコイドーシスは腫瘤(触知)型,ミオパチー型に大別し,後者の中を急性~亜急性型,慢性型と分類するのが妥当かもしれない.病型診断には骨格筋MRIや67Ga シンチグラフィーなどの画像診断とともに筋症状の把握が重要である.腫瘤型の筋崩壊機構は非壊死筋線維への肉芽腫炎症細胞の直接の浸潤と肉芽腫形成が主因であり,ミオパチー型は自己免疫など他の機序の関与が推測されるが,病態に関する研究は少ない.