日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会雑誌
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サルコイドーシス治療におけるメトトレキサートの位置づけ
サルコイドーシスにおけるメトトレキサートの位置づけ
長井 苑子
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2012 年 32 巻 1 号 p. 85-88

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抄録

当所サルコイドーシス専門外来において,心臓病変へのステロイドとメトトレキサート併用治療による心機能の時間的推移について検討した.併用治療で経過観察平均75.1 ヵ月の7症例(男性2,女性5名,平均年齢57.6歳,心病変発見後平均29.7 ヵ月でペースメーカー装着,ACE 23.9,BHL4,肺野病変3,)と10年以上の経過(170.5 ヵ月)をみたステロイド単独症例2例(女性,75.5 歳,心病変発見後平均48.5 ヵ月でペースメーカー装着,ACE28.3,BHL1,肺野1)について心臓超音波上駆出率の変化を比較した.併用治療7例の心エコー上駆出率(平均)は,治療開始時点58.5 %,1年目55.4 %,3年目52.8 %,5年目56.4 %,8年目63.2 %であった.ステロイド単独を希望し経過をみた2例では,開始時26%,54.2%で,5年目には25.3%,33.6%,8年目には27.4%,30.8%であった.症例数が少ないが,併用治療では改善および安定が認められることと,副作用が少ないことがあげられた.

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© 2012 日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会
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