日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会雑誌
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総説(シンポジウム記録)
サルコイドーシス治療におけるメトトレキサートの適応
長井 苑子
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2014 年 34 巻 1 号 p. 47-49

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抄録

【要旨】サルコイドーシスの治療は長期におよび副作用が治療効果を上回るとの問題がある.我々は,心病変サルコイドーシス17症例(プレドニン単独治療7例,プレドニンとメトトレキサート併用治療10例)について長期間の心機能の変化を比較検討した.両群間では,病悩期間,年齢,性別,病変の数,ペースメーカー使用数,組織診断,画像所見,肺機能所見,血清ACE,合併症などに有意差はなかった.心病変の診断は,2006年の日本サルコイドーシス肉芽腫性疾患学会の診断基準に従った.治療の指標として用いた心エコー上の拍出率は,治療開始後3年目,血清NT-proBNP,単純胸部写真上の心胸郭比(CTR)は,3年目と5年目でそれぞれ有意差を持って安定化し,左室拡張終期径(LVDd)では,3年目に安定化する傾向がそれぞれ認められた.その後も経過観察をしているが併用治療群では安定に経過して副作用も少ない.ステロイド単独群では,副作用が多く,心不全をきたして入院,死亡した症例もある.

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© 2014 日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会
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