2016 年 36 巻 1_2 号 p. 37-43
67Gaシンチグラフィー(Gaシンチ)は心サルコイドーシス(心サ症)の診断において活動性炎症巣の検出に長らく利用され,心サ症の診断基準にも主徴候として取り上げられてきたが,空間分解能の悪さから診断が困難な症例も多く,実際過去に報告されている診断能も決して高くはない.一方,近年では18F標識FDG-PETの心サ症に対する診断能の高さが注目され,Gaシンチの本疾患における重要性は薄れつつあると認識されている.しかし,GaシンチにおいてもSPECTに加え,近年ではSPECT/CTの利用により従来と比較して診断能の向上が得られるとの報告も複数見られており,筆者達は未だ有用な診断ツールとして利用できると考えている. そこで,本稿では心サ症診断におけるGaシンチの現状と診断能向上への取り組み,さらには今後の展望について実症例を交えながら紹介したい.