日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会雑誌
Online ISSN : 1884-6114
Print ISSN : 1883-1273
総説
夏型過敏性肺炎の研究を顧みて
原因抗原の探究
安藤 正幸
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2017 年 37 巻 1_2 号 p. 19-24

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抄録

著者らは,わが国に特有な夏型過敏性肺炎(SHP)の原因が不完全菌類の一種であるTrichosporon cutaneumであることを発見したが,その発見動機となった原因抗原探究の方法論ならびにその方法を用いて得られた成績について紹介した.SHPはT. cutaneumに対するⅢ型ならびにⅣ型アレルギー反応で起こることから,T. cutaneum多糖体の構造解析を行いglucuronoxylomannanであることを明らかにするとともに交叉反応を示すCryptococcus neoformans抗原の構造との異同についても述べた.更に,T. cutaneumがなぜSHPの原因となり得るのか,その理由について述べると共に,分子生物学的手法を用いたT. cutaneum属の新たな分類,喀痰・気管支肺胞洗浄液ならびに患者発症環境の室内気からのDNA検索法に関する研究成果についても紹介した.また,SHP診断キット(トリコ・アサヒAbチェック)を開発し,保険診療収載検査法として世に出したことも紹介した.本研究を通して著者が学んだこと,すなわち『夢に生きる』,『患者に学ぶ』,『継承的創業』の大切さについて述べた.

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© 2017 日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会
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