日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会雑誌
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心臓サルコイドーシス診療におけるFDG-PETによる活動性評価をガイドとした免疫抑制療法戦略の限界
永井 利幸相川 忠夫安斉 俊久
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2019 年 39 巻 1_2 号 p. 73-76

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抄録

 18F-fluorodeoxyglucose-positron emission tomography(FDG-PET)は,心臓サルコイドーシス(心サ症)の診断および病態評価に有用と考えられるが,FDG-PETにより評価された活動性炎症所見と臨床経過の乖離がしばしば経験される.今回我々はFDG-PET所見に増悪所見を認めた一方で臨床経過は改善を認めた症例,およびFDG-PET所見に改善所見を認めた一方で臨床経過は増悪を認めた症例を経験した.また,心サ症確診症例111例のうち,長期経過観察中にFDG-PET所見の増悪を認めた13例を検討した結果,同時に有害事象を伴う症例は6例であり,そのうち増悪時免疫抑制療法が中止されていた症例は3例であった.全例免疫抑制療法を強化したものの,その後2例に再度有害事象が発生した.一方,FDG-PET所見の増悪に有害事象を伴わない症例は7例であり,そのうち5例で免疫抑制療法を強化したものの,2例に再度有害事象が発生した.免疫抑制療法中のFDG-PET所見の変化が持つ臨床的意義には未だ不明な点が多く,今後の症例蓄積と前向き多施設研究が必要である.

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© 2019 日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会
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