2019 年 39 巻 1_2 号 p. 87-91
症例は65歳女性.30年前に皮疹で発症し,20年前にサルコイドーシス(肺,皮膚)と診断され,皮膚病変に対してステロイド内服中であった.X-1年10月頃より全身倦怠感,下肢脱力を認めX年1月に入院となった.血液検査では白血球数,可溶性IL-2受容体値,アルドラーゼ値の高値を認めたが,ACE,CK値は正常,各種自己抗体は陰性であった.FDG-PETでは頸部,両肩,臀部の筋肉や,手,肘,肩,膝等の関節に高集積を認めた.下肢MRIでは臀部や骨盤部の筋にT2延長域と造影後の増強を認めたが,他疾患との鑑別は困難であった.右縫工筋より筋生検を施行し,多核巨細胞を伴った組織球とリンパ球の集簇を認め,サルコイドーシスによる筋,関節病変と考え,全身ステロイドを増量し改善を認めた.当症例は30年という長い経過中に全身の筋,関節病変をきたしたまれな1例と考えられた.