2020 年 40 巻 1_2 号 p. 41-45
症例は70歳,男性.近医眼科で両眼ブドウ膜炎,視神経乳頭腫脹を指摘された.さらに右足内側に自覚症状の乏しい丘疹 が出現し,近医皮膚科を受診し,ステロイドとサリチル酸ワセリン軟膏の混合剤の外用で治療されたが,丘疹は四肢,体幹 に拡大した.近医眼科での血液検査で可溶性IL-2R値が高値であったため,サルコイドーシスを疑われ,近医内科を経て, 当院へ紹介された.四肢,体幹に浸潤を触知する紅褐色丘疹が多発しており,右下腿には小指頭大の紅斑が認められた.丘 疹と紅斑それぞれを生検し,いずれも非乾酪壊死性類上皮細胞肉芽腫を確認し,眼病変と苔癬様型と局面型の皮膚サルコイ ドをもつサルコイドーシスと診断した.ミノサイクリンの内服とステロイド外用で軽快した.臨床所見から湿疹や掻破痕な どと考えられた丘疹がステロイド外用に不応性の場合には,サルコイドーシスの皮膚病変を鑑別疾患の一つに挙げ,皮膚生 検を行うべきである.