2023 年 43 巻 1_2 号 p. 44-47
サルコイドーシスは原因不明の全身性肉芽腫性疾患で,肺病変がしばしば認められる.肺病変が急速に進行する場合,肺病変が一時的に出現し,自然寛解する場合,慢性に経過し,ほとんど進行を認めない場合や呼吸機能障害を呈する場合など,非常に多様な臨床経過が報告されている.進行性の肺サルコイドーシスではステロイド治療が適応となるが,その判断は非常に難しい.進行性の肺サルコイドーシスの経過観察の重要性,吸入ステロイド薬(適応外使用),低用量経口ステロイド薬,中用量経口ステロイド薬の治療,免疫抑制薬の併用に関して解説する.